風邪4日目

○風邪症状が遠のいたと思っていたら、猛烈な寒さで、くしゃみ連発。暖かくして一日を過ごします。
○自主ゼミ修了の報告がゼミ長の木村舞衣さんから届いた。いろいろと苦労したけれど、着実に学びづくりを進めてきたことを、大いに称えたいと思う。以下、返信。
「ゼミ修了のお知らせと、ゼミがあなたにとって、参加者にとって、どのような意味があったのかの総括的なお知らせをいただき、感謝しています。「川口ゼミ」終了からもう1年になるのですね。何らかの形でゼミを継承していきたいというあなたの強く、熱心な願いが、1年間という長丁場を乗り切らせたと思うと、あなたの意志の強さ、行動力、そして何よりも仲間と話し合って方針を定め点検し実践して来られたことに、エールを送ります。
 さて、いわば総打ち上げのご提案、すばらしいことだと思います。2月頃となると、入試が終わってからということになるのでしょうか?入試アルバイトに関わる人がいなければ、入試期間中であってもかまいませんね。ちょうど天候が不安定な時期ゆえ、ぼくが参加できるかどうかは天候次第ということになってしまいますが、最大限の力をふりしぼって、喜んで、参加致します。」
○今さらなんですが、「セガン」の思想構造がルソー主義との関連で捉えられてきた研究傾向に対し、「ルソーの影響は考えるべきではない」と問題提起してきたが、それじゃどのような思想と関連づけるのか、については、サン=シモン主義者であった、ということしか述べなかった。しかし、セガンがサン=シモン主義者だったというのは周知のことであり、何ら新しい観点ではない。ただ、他の研究と異なるのは、「社会主義」思想と運動のサン=シモン主義の「科学的社会主義への橋渡し者」としてのセガンという、清水寛、松矢勝宏氏の評価−それはルソー主義者であるという評価と矛盾しない−ではなく、サン=シモン教という宗教的世界観を、セガンは、1830年以来終生持ち続けたという主張にある。しかし、サン=シモン教という宗教的世界観とはなんぞや、とりわけ白痴教育との内的、論理的関係はなんぞやにはまったく言及してこなかった。大きな研究的弱点であったと自覚している。
 せっかく「サン=シモン教義」書を入手していながら、目次を眺めるだけであったことを反省しなければならない。とくに、教育論=人間形成論に関わっては、Lessingの「人類の教育」が、セガンの「白痴者」理解のとっかかりを与えていると思われる(「統一体としての人間」)。しばらく、こだわってみよう。
○Du Doctrine de Saint-simon
 サン=シモン教義に関して  (入手文献と簡易メモ)

1.Correspondance : [Lettre sur la doctrine de Saint-Simon] 
 signé Ch. D.  1830.
(Duveyrier, Charles (1803-1866).)
書簡集:(サン=シモン主義に関する手紙) シャルル・デュヴェリー署名
2.Du passé et de l'avenir des beaux-arts : doctrine de Saint-Simon.
Alexandre Mesnier (Paris) 1830.  
芸術の過去と未来について―サン=シモン教義
 ☆セガンの『芸術論』と関係するか?
3.Enseignement central : religion saint-simonienne.
Imprimerie d’Éverat (paris) 1831/
主要な教育 :サン=シモン者の宗教
4.Doctrine de Saint-Simon. Année 1. 1828-1829
Au bureau de l’Organisateur (Paris) 1831.
サン=シモン教義 第1年 1828-1829
5.Réflexions sur la doctrine de Saint-Simon : extrait de mélanges, religion, philosophie, politique
Par Antoine Frédéric Ozanam. 1831.
サン=シモン教義についての考察:雑婚、宗教、哲学、政治についての要約
6.Doctrine de Saint-simon: exposition, 2e année, 1829-1830
Par H. Carnot et Bazard
Au bureau de l’Organisateur et du Globe (Paris) 1832.
サン=シモン教義:解説(? 展示)、 第2年、1829-1830
7.Nouveau Christianisme. / Letttres d’Eugene Rodorigues sur la religion et la politique. / l’Éducation du genre humain, de Lessing. Traduit, pour la première fois, de l’allemand par Eugène Rodrigues.
Au bureau du Globe (Paris), 1832.
キリスト教/宗教と政治に関するウージェーヌ・ロドリーグの書簡/レッシングの人類の教育 ウージェーヌ・ロドリーグによるドイツ語版からの初翻訳
 *セガン1846年著書 原著374頁にレッシングあり。きわめて重要な文脈。
L'idiotie est une infirmité, il est vrai, mais l'enfance des peuples comme celle des individus n'a-t-elle pas été une suite d'infirmités morales, intellectuelles et physiques successivement corrigées par l'éducation, comme l'entend Lessing et comme je l'entends?
白痴症は間違いなく障害である。しかしながら、レッシングが理解するのと同じく私も理解するように、教育によって、人々の幼年期は個人の幼年期同様、一連の道徳的、知的および身体的障害を順には決して治さないのだろうか?
7.L’Organisateur belge : jarnal de la doctrine de Saint-Simon : religion, science, industrie, association progressive universelle : paraît tous les dimanches – au bureau du journal (Bruxelles) 1831.
ベルギーの組織者:サン=シモン教義紙:宗教、科学、産業、普遍的進歩的協同:全日曜に為されること。
8.Sur la nécessité et la possibilité de rallier la doctrine de Saint-Simon à la foi chrétienne et au christianisme temporel annoncé dans les Ecritures.
Imprimerie d’Éverrat e Ce (paris), 1837.
書物の形でしばしば公知される、キリスト教徒の信徳とキリスト教とでサン=シモン教義に帰依させる必要性と可能性に関して
9.Le socialisme, le naturalisme et le positivisme : Saint-Simon, Ch. Fourier, Pierre Leroux, Jean Reynaud, Gall, Broussais, Aug. Comte, Proudhon, etc.
par M. Ferraz, 1877.
社会主義自然主義および実証主義:サン=シモン、Ch. フーリエ、ピエール・ルルゥ、ジャン・レノゥ、ガル、ブルセ、オーギュスト・コントプルードン、など。
(下線 :新百科全書派、破線:臨床、実証派)

☆(一般的説明)ピエール・ルルゥ ― 哲学上での彼の基本原理は彼が「Trinité(三位一体)」と呼ぶそれである。全てのものに浸透しているという、彼が発見したある三位一体で、神におけるそれは「力、知性、愛」、人間におけるそれは「感覚、感情、知識」である。
セガン1846年著書  Pierre Lerouxに言及は 339頁)
☆Trinité は、1846年著書162頁、334頁、345頁
実証主義(positivisme) セガン1843年著書、セガン1846年著書32頁、697頁、721頁