今日の病院行き

生活体と病体との間には落差があるが、病体の方は落ち着いている、ということだ。
 診察の順番を待つ間、とくに次の番を待つ間は落ち着かない。
 文字通りの名医の叱責の声がカーテン越しに聞こえてくる。
 「薬を飲んだり飲まなかったりで、治るものも治らないよっ!もう薬いらないって貴方が自分で判断するんだったら、医者、いらないでしょ?」

 患者A氏と名医との会話がその前に聞こえてきていた。
 「調子がよかったからもう薬はいらないかと思って。」
 名医
 「で、調子はいいまままなの?」
 患者A氏
 「いいえ。よくなったり調子悪くなったりの繰り返しです。」
 云々・・・

 で、名医の叱責の声が響いたわけだ。びくっ!びくっ!A氏の言い分はじつによく分かるから。今日、オレは、どんな顔して先生の前に出ればいいのだ?!
「川口さん、どうぞ!」名医直々のお呼び出し、いつものこと。

 今日は、朝から、眼科診察があり、採血があり、動脈硬化検査があり、MRIがあり、当然それぞれの間に待ち時間がありで、へとへとになって、脳神経外科の先生(名医だとの評判であり、ぼくもそう思っている)の診察の順番を待っていたのだ。
 診察室と「控えの間」との間のカーテンをそっと開けて身体を差し入れる。当然、目は、先生のご機嫌はいかがだろうかと、窺う目つきになっているはずだ。
「調子はどうですか?」
「元気ですっ!」(ことさら張り切り声で)
「そりゃいいね。・・血圧は正常値、動脈硬化は前よりちょっと数値が悪くなっているけど年齢にふさわしい数値になっただけのことだからこれも正常、血液はすべて異常なし、いいですね。それから脳梗塞の再発は見られません。」
「よかった。ふぅ〜、よかったです、」
「で、薬はいつもどおりね。・・次回は、6月17日。」
 名医先生のお声がかつて聴いたことのない程に優しさに溢れているように思われて、診察室から退出した。
○眼科診察も「症状は落ち着いていますから様子見としましょう。」と、思わしくない中にも平和な状況を知らされていたので、ハッピーな気分で会計を済ませ、薬局へと向かった…。が、薬局はいつになく長い待ち時間が予告された。1時間半。では、と、遅めの昼食を寿司屋でにぎり寿司をいただき、病院のリハビリセンターに顔を出した。行動療法の菊池先生他の先生がたにご挨拶のつもりだったが、菊池先生からマッサージ施療をしていただくという幸せな時を過ごした。
○徒歩で帰宅。途中で児童公園、オランダ家(和菓子屋さん:写真上)、東武で体を休めた。オランダ家には猫舌(写真下)が売られていた。