自己流リハビリの話

 構音障害、左半身不全という診察名をいただいた私。
 構音障害はとにかく人様と話さないことには状況は改善しない。人見知りの激しい私にとっては,心を開いても怖くない人にお相手を求めるしかない。
 左半身不全は、それにすっかり馴染んで寝っ転がって過ごすという人生末路的な生き方を「まあ、素敵」と推奨して下さる方もいらっしゃるが、私はやはり、家族と並んで歩きたいし、支援して下さる方とお出かけもしたい欲深人間。
 で、リハビリをあれこれと試みる。人様のあてはお願いするしかないけれど、グッズは自分であれこれ試し、心地よくしかも意義あるものを探し求める(時には合わずに捨てる)。
 引きこもりがちになるので心のリハビリは大切。で、好きな内容の読書となる。テレビは視聴しないし、耳が悪いのでラジオも聞かない。
 一日の大半を室内で過ごすので、左上半身、とりわけ左手指の訓練グッズ。パソコン(キーボード)、お手玉(投げあげたり手の平に収めてぐにぐにしたり)、猫スタイルに変身した洗濯ばさみ(左手2本の指で挟み持つ。力要りますね、これ)、それとゴルフボール2個(クルミをぐりぐりやる要領の使用)。
 身体の運動が大切ですよ、といわれて退院したので、しばらくは外歩きに執着した。でも、早歩きでも何でもないから、社会的知見を広げるにはいいけれど、運動というほどの筋肉使用はしていない模様。で、偶然、広いグランドでボール遊びを行うことになった。野球ボール(投げる、拾う…の繰り返し)、サッカーボール(蹴る、の繰り返し。時にはドリブルに挑戦)、ゴルフセット(打つ、の繰り返し)。外での運動は、午前午後に分けて行い。人様があまり場所取りをしない時間を見計らって。
 じつは、血管がつまってしまう血栓症が怖い身体。それで、血が固まりにくい薬を服用している関係で、怪我で出血することが心配なのだ。猫に一度引っかかれた時どばっと溢れる血を見て、その心配が過剰ではないことを理解した。だから、外での運動で、倒れて擦りむきでもしたら困ったことになる故、押さえがちの運動となってしまう。走るのはどうしても腰が引けてしまう。だけれど、サッカーボールを蹴る(ドリブルをする)遊びをしていたら、左脚を引きずりながらも駆け足?をしている自分に気づく。ああ、走れるんだなあ。少し喜んだ、今朝。