今さらながらの気づき

○自分が10年余研究しつづけ、関連著書を2冊も出しているし、タイトルにさえしているのに、謎が解けないできていた。
<なんで、オネジム=エドゥアール・セガンが「知的障害教育の開拓者」(あるいは「先駆者」)なんだ?>
 だって、「知的障害者が感情や道徳性や知性は教育を受ければ発達する」と博士論文で明らかにしたのはベロームという精神医学の人だし、彼の父親は、精神病者と一緒に生活しながら治療を施す「健康の家」をすでにパリ市内に持っていたのだし、その側面からいえば、医療教育の先達者はベロームじゃないか。写真はベロームの健康の家L'hôtel de Chabanais (163 rue de Charonne)。

 で、やっと、論文に書くほどのことではないと判断したこの結論は、知的障害教育のプロセス(内容・方法)を初めて記録し公刊した人が、セガンだったってこと。ベロームの博士論文は1824年、セガンの実践記録は1839年
 なるほど。関係研究の先駆者がそう書いて下さっていればなあ、と思います。
○当該の実践記録の翻訳と解説とを以下にアップしています。邦訳は過去お二人によって為されていますが、すでに入手困難です。関心のある方はどうぞ。
http://d.hatena.ne.jp/kawaguchi-yukihiro/20141019/1413699552