別れ

○かつて「女性論ゼミ」などの自主ゼミで研究室に出入りしていた、今はW大学院在籍中のお嬢さんが、故郷に帰ることになったという知らせ。話を伺っていないので推測だが、大学院は今年度、つまりこの3月で終了。教員採用試験には失敗したのだろうか。ご本人は自身の道を歩みたいが親が許さないという現実に、あらがい続けることができなくなったようだ。就職を決めればと教職でない道に進む努力も重ね、内定を取ったにもかかわらず、親がその内定を断ってしまったという最悪のシナリオ。「1年後には戻ってきます」と意志を示してくれたが、さて、どうなることか。14日に秋葉原で食事をご一緒し、お別れの宴とすることにした。こういう別れは悲しいなぁ。
○姫さまから婚姻届用紙が送られてきた。いよいよだなあ。署名捺印をして、明日夕刻、トドちゃんにお渡しする。
○医学百科事典、全ファイルダウンロード完了。本体は全35巻、pdfファイル数100。さあ、これを活用した「1843年のセガン」第8号制作準備に入る。しかし、Guersantセガンの表現によると「あの有名なゲルサン父」)も「白痴は教育可能」の提言者Belhommeもこの医学百科事典からその名も業績も見いだすことができない。
○戸籍設置をめぐる確執の昔ばなし
 さあ、結婚。戸籍を新たに設けなければならない。その本籍地をどこにするか。ぼくは研究者になることを目指していたし、雇ってくれるところならどこでもいいと思っていたので、将来「移転」がスムーズに行えるようにと、結婚によって居を構える、すなわち現住所の地盤にすると決めた。
 しかし、こんなことで親との確執が起こるとは夢にも思わなかった。
 要するに、親は、戸籍を新たに設けるといっても、現本籍(それは親世代の地盤)をそのまま使うべきだ、お前は婿ではないナンチャラカンチャラ・・すさまじい剣幕。親の意識としては「川口家という家柄に傷がつく」行為は絶対に許せない、跡取り長男なのだから、というわけだ。突如、明治旧民法の亡霊が、民主主義を教えているはずの教師である親の口から抜けて出てきた時の、私の呆れ、怒り、悲しみ。我が家は川口家本家ではなく分家なのだが、分家の分際で本家に傷を付けるなんてあり得ない、と…。
 すったもんだのあげく、妥協策として、ぼくは、ぼくが生まれ育った自宅住所に本籍を置いた。将来ここに戻ってくる可能性がある、ということを示したので親は渋々納得した。それは三重。私たち夫婦は東京そして千葉に生活拠点を置いている。しかし、心の中では、「ここに戻ることは絶対無い」と思っていた。
 そして親の代が消え、土地家屋等不動産を遺産相続することを返上したので、さあ、戸籍を移さないと、不便でしようがなくなり、現在の本籍地へ。
 そして、話題結論: 「戸籍制度」という悪しきシステムが早くなくなるべきだと痛感してきた我が半生。「戸籍制度」、日本以外にどこの国にあるのでしょうか?