自主ゼミ昼食会

○深紅のハナモモが一輪開いた。美しい。

○いい天気に恵まれた今日、学習院大学教職課程自主ゼミ(川口ゼミ)で学びあった学生の先輩・同輩たち有志に囲まれた幸せな一時を過ごした。「昼食会」。
 学習院大学教職課程というのは、学習院大学に置かれている中学・高校の教員免許取得課程のことで、いわゆる学部・学科とは異なる。学習院大学には、文学部、理学部、法学部、経済学部の4学部が開設されているが(大学院もありますがここでの話では省略します)、それぞれのコースで専門を学ぶ学生がその専門に関わる教員免許取得のために学ぶのが教職課程であり、教員養成政策によって事細かに修得すべき内容・方法が決められている。そして、セミナールはない。
 教師を目指す学生の中には所与のカリキュラムに飽きたらず、自分自身で学ぶべき内容と方法とを求める者が少なくない。それを学習活動の形にしたのが「自主ゼミ」と呼ばれているものであり、単位にはならない。教員に指導・助言を求める自主ゼミや文字通り学生だけの運営によるものもある。
 「自主ゼミ(川口ゼミ)」というのは上記の折衷型と呼ぼうか。授業や学生の問題意識だけでは「教育」を捉えきれないと私が判断する問題範疇を、毎年度学生に披瀝し、「自主ゼミをやりませんか」と、授業の中で「気になった学生」に声かけをして、それから出発する、というスタイルを続けてきた。極端に言えば、毎年テーマが変わり、構成人員が変わる。
 今日、昼食会を終えて、大学構内で「記念写真」を撮ったのを添付しました。結果的には二つの自主ゼミの写真である。一つはこの1年間、広く「教育とは何か」を各自の問題関心でレポートを披瀝・討議し、その後『エミール』の読書会へと進んだ自主ゼミ(今日の本来の昼食会の組織母体)、あと一つは「自分史」ゼミ。これは自身のアイデンティティを再構築するというような目的であったので、名門家系の跡継ぎとして生まれ育ってきた者のこれまで、とか、学校ドロップアウト人間の生き様とか、言葉も分かっていなかった異文化世界に単身で暮らし自身の学びのプロセスを総括しつつ構築する、とかが話題として提供された。非常にエキサイティングな時間を過ごしたものだ。
 前者は非常に地味でオーソドックスな学び、後者はぼくの教育標語「隣の人は教材」を地で行った学びである。