少しずつでも

○「おおさかのきつおかです」メールが届く。お元気にご活躍の様子。うれしいものだ。きっちゃんへの返信はページ最下段に。
○粋生倶楽部増尾通所リハビリ。1週間ぶり。歩行姿勢をチェックしていただき、改善点をご指摘いただく。要は左足ふくらはぎの筋肉が固まっているので、それをリハビリでほぐしていく、ということ。自宅リハビリで行うゴルフボールを足裏土踏まずでゴロゴロ5分×3回を一日のノルマとすること及びふくらはぎをもみほぐすこと。倶楽部は大変な人気が出てきているとか。うれしいことだが、機能回復訓練に「隙間」が生ずることのないように願います。
○朝、目の調子がそう悪くないなと思える状態の一時があった。こうした時を利用して、少しずつ、翻訳を重ねていこうと決意した。
○「色について」の項に至っても、中野訳文には瑕疵がある。色と形の組み合わせを指導する場面で、形の違う厚紙を取り換える、という作業指示であるにもかかわらず、「重ね合わせる」としている。8角形と4角形を重ね合わせてどうするというのだ!
○第6節終了。次は第7節大きさ
セガン1843年論文翻訳 第4章第6節承前
方法―先に述べた非対人模倣の項での運動は、まだ、白と黒との違いを漠然としか区別させることしかできなかった。子どもにこうしたものの様相現象についての的確な観念(idée)を与えるためには、いろんな色の厚紙を4角形とか8角形とかといった、それぞれの色にそれぞれの形という風に、様々な形に切るだけで充分である。一つのテーブルに二つの4角形、それぞれオレンジ色と青が置かれる。つづいて、子どもに、二つのオレンジと青の8角形が示され、4角形のものが渡されて、置き換えるよう命じられる。もし彼が分からないようなら、厚紙の置き換えをして見せて、それを子どもに繰り返させる。次に、先生(le maître)がある色でこうした運動をし、生徒には、簡単な指示でできるようになるまで、別の色でそれをさせる。子どもが青のところにオレンジ色を置くようなら、色調の類似観念を子どもに与えるために、幾度も、彼の前に、似た色ごとに整理された色を置くようにする。本来の意味での色調を認識させる前に、まずは、いろいろな色を、いわゆる原色を指導することが大切である。類似したものが提示される前に、比較によって色の違いが分かるようになることを提起するのである。
 色の区別とその区別化の明示、つまり、二つのことがらのはっきりとした区別のために、読みの項でもう一度、方法を説明する予定である。その方法は読みにおいて、どうしても必要なのだ。つづいて、壁紙、絨毯など、様々なものに、色の観念(notion)をあてはめさせる。
○目を休めようと外の安定した景色を眺めていると、つい、カメラファインダーからのぞき込んでしまう。

カラスウリ雌花、華麗な求愛ーファイナル・レポート

○きっちゃん、メールをありがとうございました。
 先日、山下君と会った時、彼が教頭職を務めていると知り、驚きました。もう、そういう年代になっているのだなあと、和歌山時代の若い仲間のことを考えたわけです。
 和大に着任したのが1989年10月1日でしたから、もうすぐ46歳になろうという45歳の時でしたね。まさに、今のあなたたちと同世代でした。山下君にも言ったことですが、埼大で受けた仕打ちの痛手からはまだ立ち直っておらず、しかしここしか生き延びるところはないという執着、という葛藤の渦中でした。僕の採用を決めた教授会では賛成票が満票であったと聞きましたから、期待はされている、という希望を強く持つことができたのが、あなたたちから見た「エネルギッシュな川口」であったのだろうと思います。
 ブログをご覧いただいているので、小生の体調、精神状況などはすっかりオミトオシのこと。ただ、病気治療とリハビリのために在宅生活だけですので、現在進行中の教育の研究はすっかりおろそかになっています。同時に、ぼくは、ずいぶんと「敵」を作ってきているんだなあ、と感じ入るところが多々あります。そのことで、学会や研究会にも顔を出さなくなっているのは事実ですから。そして、もう今更、「敵」と和解する必要もないし、相手もそう思っているから僕の存在などないような振る舞いをしているのでしょうと思います。セガン研究(翻訳と解説論文執筆)にのみ心を傾けることにしている次第です。しかし、放り出して知らんぷりし、おいしい汁だけ吸えばいい、という人たちに対しては、心から憎しみ、悲しみを覚えます。そういう人が教育界のコアにいるから、ぼくは、教育界の実際に入り込まないのかもしれないなあ、とも思ったりします。
 長くなりました。公的に教育実践という用語を「追放」した教育行政や学会(教育臨床などと称していますね)からは相対的に自立した教育実践(学)を教育現場で深めてくださらんことを、願います。また、「育療」でのご活躍を期待しています。
 お会いできる日が来ますように。