朝の「お散歩」

○「セガン昔ばなし」を計7回連載します。ご笑覧ください。
第1回 http://eseguin.web.fc2.com/pdf/mukasi01.pdf
○心地よい風、 木立からは鶯の声、誰もいない広〜い児童公園。
 もともと体を動かすことが好きでない者にとって、えいやっと動き出す瞬間をどうつかむか、毎度のことだけど。出かけてみると、なかなか恵まれた環境での運動なのだな。
 よし、今日もここを無杖で10周だ、ただし、今日は立ち止まりの一休みはするとしても椅子には腰を下ろさない。1周がおおよそ400メートルだから4㎞の「お散歩」となる。目安時間として1時間。
○5周終わったところで両膝屈伸10回、四股左右それぞれ10回。自宅室内や庭ではつかまるところがあるので倒れる心配をしないで行ってきたが、今日はつかまるものなしの初挑戦。両膝屈伸では、お尻を深く下すのが恐々、とりあえず下せるだけ下してみましょう。体が前かがみにならないように強く意識しながら…。四股では左足があまりあがらないのが悲しいけれど、まったく上がらない状態からは脱しているので、頑張りましょう。倒れずに済みました!
○途中で、一人だけ、児童公園をジョギングで突っ切る人と出会い、ぼくは恨めしく彼の走りゆく後姿を眺めた。いつになったらできるのだろう。もうできないのかな。ちょっと走る姿勢をとってみたけど2歩で止めました。それよりも、つま先を上げ、ひざをできるだけ高く上げて歩く訓練。ふと頭の中を、知的障害教育の開拓者セガンの言葉がよぎった。「子どもにとって歩行姿勢などを取らせるためにそのモデルとして屈強な兵士が必要だ。」 兵士の一斉行進の光景が思い浮かんだ。高く高く足を上げ、力強く下しましょう。 まあ、今日は気持ちだけね。実態がどうたらこうたら考えると、落ち込む以外にないですから。
○ゴルフボールゴロゴロ、足首クルクル、ふくらはぎモミモミ、左足軸右足階段上がり下がりなど、こまめに。
セガン第4章第7節は大きさについて。大きさについての子どもの観念を大人のそれとは異なるものとしての前提。原文にleur petite personneとあるのをどう考えるか。意味を逐語的に記せば「彼らの小さな人」となるがそれでは意味が通じない。中野訳文では「自分の小さな背丈」としている。なるほど、personneには「背丈」の意味もある。子どもは自分の背丈と比較して物事の大きさを認識する、というわけだ。なるほど。だが、そうなのか。辞書を丹念に読むと、「自分自身」という意味が載せられている。そうすれば「背丈」だけではなく体全体が比較の原基だと理解できる。「お母さんの手、ぼくより大きいね」などに応用できよう。セガンはそこまで言っていると、理解したい。
○demanderの訳。「要求する」が原義。100センチの物差しと5センチの物差しを並べおいて、「大きな物差しはどれか、と質問する」というのが中野訳。果たしてそれでいいのか。白痴の子どもが対象であることを理解するならば、この「要求する」というのは「質問する」ではなく「(適切な方を)指し示せ(あるいは手に取れ)と要求する」でなければ実践的ではない。
セガン1843年論文翻訳 第4章第7節 この節終わり。
第7節 大きさ
概要−子どもにはこの大きさの観念(notice)の方が他の観念より備わっているようだ。とはいえ、その観念には、大人に見られるような計量的な尺度が意味されているわけではない。子どもたちに見られる尺度単位は不変である。彼ら自身や彼らが日常使うものに関わらせて、すべてを測るのである。つまり彼らは、比較階層を持っていないし、比較外項しか認識しないということだ。白痴の場合は、彼らはノロノロと距離を測る。それで、すべてが長い距離であると考える。食いしん坊の彼らからすれば食事の量もまた、不十分だと思うのである、など。
方法―20本の物差しを作らせる。1本目は長さ5センチメートル、2本目は10センチメートル、3本目は15センチ…という風にし、20本目、100センチメートルとなるように。5センチ間隔は、それぞれの物差しの四面に黒い線で示される。まず、1つの物差しを一番大きな物差しの横に置く。つまり、一番小さな5センチメートルの物差しを、一番大きな1メートルの物差しの横に置くのだ。子どもに、一番大きな物差しと一番小さな物差しとを、交互に求める。3番目の物差しが加えられる。それは中の長さの物差しだ。続いて、必ず5センチメートルずつの差であるようにこれらの物差しを取り換えて、小さいの、中くらいの、大きいの、と求めていく。最後に、これらの物差しすべてを地面に大雑把に投げ出し、子どもに、一番小さいものから一番大きいものまで、あるいは一番大きいものから一番小さいものまでをと、求め、子どもがそれら雑然とした物差しを手に取り、第一のものから最後のものまで順々に並べるようなら、比較分類になじんだ目線を子どもは育てており、引き続き、事物すべてに適用するはずである。このことはその後実験によって確かめられた。
○お昼ご飯は辛みそ焼うどん 野菜たっぷり(キャベツ、なすび、ピーマン、マイタケ、ニンニク、あとなんか)